ゆるおに はみ出し210

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はみ出し210
「対談 ~食事制限で痩せられない女の涙~」

一季に一度の大宴、上座寄りの一角――
此紀、万羽、沙羅


沙羅「…………」
此紀「何をさっきから見てるのよ。脚? 触る?」
沙羅「いいのか?」
此紀「は? ……別にいいけど。何?」
沙羅「ああ……やはりか。……いいな。…………来世はお前に生まれ変わりたい」
此紀「当代一の麒麟児が、何を言ってるんだか」
沙羅「手足が長く、細く、それでいてインナーマッスルがしっかりしている。なおかつ運動神経があり、体幹が強い。お前は理想的だ」
此紀「何の品定めをされてるのよ私は」
沙羅「私はソシアルダンスの教室に通っているのだが」
此紀「ああ、社交ダンス。オッサン引っ掛けるために行くって言ってたわね」
沙羅「当初はそのつもりだったのだが、ハマッてしまってな」
此紀「あんた凝り性だからね。いいんじゃないの。健康にも良いし」
沙羅「………………私はダンス向きの体型ではない」
此紀「太ったオバサンとかも社交ダンスやってるでしょ?」
沙羅「誰が太ったオバサンだ!」
此紀「あんたが言い出したんでしょ。別にバレリーナじゃないんだから、そのくらいの体型でも問題ないでしょうよ」
沙羅「競技ダンスをナメるな!
此紀「いや競技ダンスやってるの? それは初耳なんだけど?」
沙羅「スタンダードはこう、ふわっとしたロングドレスで行けるからまだしも……ラテンのミニドレスを着ると……胴回りと太ももが……」
此紀「もしかして10ダンスやってるの?
沙羅「さすがによく知っているな。……そうだ。…………ラテンはせめて、足がもう少し細くなければ、話にならない。……お前や万羽のような体型に生まれていれば、どんなドレスでも着られただろうな」
此紀「うわ泣いてる
沙羅「麒麟児だの何だのと称えられたところで……私は太ももがお前たちのウエストと同じくらいの周径の女だ……」
此紀「いやそこまでじゃないでしょ。……別に……足が多少、まあ、細くなかったところで、あんたウエストはくびれてるから、その、そんなに太ってる印象は受けないし」
沙羅「痩せている上にウエストがくびれている女から言われても嫌味なだけだ!
此紀「…………どう言やいいのよ。ラテンダンスは色気でしょ。あんたはそれが抜群なんだから、身体はまあ、ちょっと絞ればいいじゃない」
沙羅「雑巾ではないのだから、そう簡単に絞れるか!」
此紀「なんでダイエットできない女ってみんな逆ギレするの? 万羽なんか毎日筋トレしてるわよ。筋肉はついてるだけで脂肪を燃焼させて行くから、鍛え得よ。競技ダンスなんか特に、全身筋肉にするくらいでいいんでしょうに」
沙羅「それができたらこんな体型になっていない!
此紀「なんでそれをキレながら言えるの?
沙羅「……スタンダードでも……胸が必ず相手に当たるから、組んだ男がぎこちなくなる」
此紀「それはまあ、別にいいんじゃないの」
沙羅「私は真摯にダンスに取り組んでいるんだ! 女の胸に惑わされるような男と踊りたくはない!」
此紀「あんたオッサン引っ掛けるために習い始めたんでしょ」
万羽「あっ、此紀が沙羅泣かせてる」
沙羅「来た! もう一人の生物兵器め!
万羽「この子は何言っちゃってんの?」
此紀「痩せたいらしいわよ」
万羽「痩せりゃいいじゃん」
沙羅「言葉の暴力だ!!
万羽「っていうか、ちらっと聞こえたけど、何? ダンス? 沙羅が? お城の舞踏会みたいなやつ? シンデレラ?」
沙羅「スタンダードは……まあそうだな。……そちらはまだいい。……問題はもう片方の部門で……」
万羽「ヒップホップ?」
此紀「沙羅はやらないでしょ。いえ、ラテンダンスをやるイメージもなかったけど。こう、ええと。サンバとかよ」
万羽「サンバってあれ? あのカーニバルの? 沙羅あんな衣装着られるの?
此紀「今その話で泣いてるんだから、ド正面から行くのやめなさいよ
万羽「別に体型はいいんじゃないの? 沙羅がセクシー系の服とか着るイメージなかっただけよ」
沙羅「不可抗力によって着られないだけだ! 露出する服は……痩せていないと見苦しいだろう」
万羽「あたし太ったことないからわかんないけど、痩せるのってそんなに難しいわけ?」
沙羅「…………」
此紀「もう漢泣きの泣き方してるじゃない。もうちょっと言い方あるでしょ」
万羽「別に毎日2時間ジョギングして、テレビ見ながら1時間足上げ腹筋して、暇なときに鉄アレイゆっくり持ち上げるのだけ繰り返せば、勝手に脂肪なんて落ちていくんじゃないの?」
沙羅「……………………なるほど。……これがいわゆる……私もよくそうだと言われる……『強者の理論』か……」
此紀「まあ万羽はやりすぎにしても、ジョギングくらいはしてもいいんじゃないの?」
沙羅「…………」
万羽「ええ? 何も運動したくないけど、今の体型は変えたいって言ってるわけ? それはあんた無理じゃない?」
此紀「……その通りだけど、泣いてるんだから優しくしてやりなさいよ」
東雲「あっ、沙羅さん泣かせてる。兄弟子として助けに参上」
沙羅「…………そういえば、お前も筋トレをしているのだったな。……」
東雲「え? あ、体型とかの話ですか? 俺は沙羅さんくらいのちょっとドシッとしただらしないスタイルの女のほうが、エロくて好きですよ!」
沙羅「燃え尽きろ
此紀「男のそういう謎の上から目線って最悪よね。あんたのために痩せるわけじゃないっつーの」
万羽「あんたもなんかイヤなことあったの?」
此紀「今、私とあんたが間接的にdisられたでしょ!」
東雲「ですから、単に俺の好みの話ですよ。隙のないモデル体型より、プヨッとしてた方が色気があるって言うか」
万羽「ウッ」
此紀「万羽にも軽ダメージ行ってるじゃない。あんた全員刺すだけだから、あっち行って」
東雲「一族のトリプルおっぱいが体型のことで悩んでたら、神無様とか立場ないじゃないですか。沙羅さんは綺麗でエロくて最高ですよ」
沙羅「…………フエーン」
此紀「あ、一応、漢泣きを女泣きにさせるくらいは、ダメージが軽減されたわけね」

神無「おい、あの声のでかい男を殴ってこい」
斎観「ガッテン承知」





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