ゆるおに はみ出し214
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はみ出し214
「対談~映画を語る~」

――昼下がりの広間――
豪礼、此紀、万羽、典雅、斎観、西帝


豪礼「……近年の邦画だと、やはり『シン・ゴジラ』は良かった」
此紀「豪礼に連れて行かれて観たわ」
典雅「同じくだ」
西帝「俺はもともと観るつもりだったけど、親父に誘われたから肩身の狭い思いをしながら観た」
此紀「なんで肩身が狭くなるのよ」
西帝「物理的にも精神的にも、隣に『映画にメチャクチャうるせえ大男』がいる状態で観る映画って、半分くらいしか頭に入りませんよ。だからもう1回ひとりで観に行きました」
万羽「隣で観てんの?
此紀「まあ普通、連れとは並んで席を取るんじゃない? 普通、三十の男が父親とふたりで映画に行くかどうかは置いておいて」
典雅「全員が豪礼と観た以上、連れは誰でもよかったんだろうな」
万羽「あたしはオトコと観たけど」
斎観「俺も女と観た」
西帝「ああ、兄貴は観たって言ってたな。万羽様も映画とかご覧になるんですね」
万羽「流行ってたから。一緒に観た男は、幼稚だとかどうとか言ってたけど」
豪礼「聞き捨てならんな
西帝「万羽様、地雷原を爽快に駆け抜けるのやめてください。少なくとも親父は3回以上観てるんですから、『シン・ゴジラ』を相当気に入ってるわけですよ」
典雅「万羽の男は中年が多いだろう。ゴジラ世代と言えそうだが」
万羽「そういうの観て来なかったタイプみたい。怪獣っていうだけでバカにしてる感じ」
此紀「なんでそういう男と観るのよ」
斎観「俺は普通だったな。ゴジラシリーズは観たり観なかったりだけど、最近のゴジラはこうなのか、と思いながら観た。つまらなくはなかったが、1回見た映画を2回観たいとかいう気持ちがそもそもわからん
豪礼「…………
西帝「なんで同じ轍を踏むの?
斎観「別に『親父を怒らせない会』じゃないだろ」
典雅「私は面白かったと思う。片桐はいりの茶に礼を言うシーンがあるだろう。本部が移ってからは、自分で茶(※おそらくコーヒーだが)を淹れて渋い顔をする。あのショットで感慨深くなるな」
西帝「急に細かすぎるところ来ましたね」
万羽「縦ビームがよかった」
此紀「小学生男子みたいな感想だけど、確かにまあ、あれは見映えが良かったわね。『縦にも!?』っていう」
西帝「プロトンビームですね」
斎観「ビームって、あの紫ビーム? そんな名前ついてたっけ?」
豪礼「『風の谷のナウシカ』も知らんのか
斎観「アニメは知らねえよ。金曜ロードショーで細切れに観たことはあるかな。ん? いや、俺が想定してんのは『ラピュタ』かな? バルス出てくんのどっち?」
西帝「バルスはラピュタだよ。なんでそれが混ざるんだよ
万羽「あたしもジブリ映画の区別ってあんまりつかない」
西帝「暴言だ
典雅「私はジブリは大体観てるよ。そうか、巨神兵のビームと同じか」
西帝「ナウシカ観てるのに気付かなかったんですか?」
此紀「あんたも豪礼の血濃いわね。ジブリを知らんもんは知らんし、知ってても兵器の固有名詞まで覚えてる視聴者はそう多くないでしょうし、一般人なんてそういうものでしょ。『映画好き』の教養ラインは、一般人のそれとズレてるのよ。それがわからない映画好きが、SNSで無自覚に一般人をバカにして炎上するわけ」
西帝「何かあったんですか?
此紀「逆よ。一般人側からの意見。映画好きは言うことがめんどくさいのよ」
豪礼「…………」
斎観「怒らないってことは、自覚があるんだな」

西帝「でも此紀様もけっこう映画詳しいですよね。好きな映画が『十二人の怒れる男』というのは、映画見のマストではありますが、一般人からはあまりパッと出て来ないタイトルのような」
豪礼「こいつは社会派の映画が好きなつまらん女だ。『映画好き』とは違う」
此紀「ちょっと! それはなんとなく暴言よ!」
典雅「私は普通の映画よりも、歌劇のほうがわかるな」
西帝「典雅様そういう感じですよね。万羽様はやっぱり、ハリウッド大作とかがお好きなんですか」
此紀「万羽のオールタイムベスト3は『スタンド・バイ・ミー』と『シンドラーのリスト』と『司祭』らしいわよ」
西帝「すみませんでした
豪礼「…………万羽はバランスが良い。それは認める」
斎観「ほかの2つはなんとなく知ってるが、『司祭』って知らん。有名なの?」
万羽「なんかぐっと来る」
此紀「万羽の感想は小学生みたいだけど、『司祭』は良いわよ。典雅も好きだと思う」
典雅「筋骨隆々の男が大勢出てくるのか?」
此紀「それなら『300 〈スリーハンドレッド〉』とか観なさいよ。『司祭』は……【理想に燃える若く美しき司祭グレッグ。彼は夜になると僧衣から黒の皮ジャンに着替え、男との出会いを求めてゲイの集うバーに通う秘密の生活を送っていた。(TUTAYAサイトより引用)】」
典雅「貸してくれ
此紀「信仰と禁忌の間で苦悩する神父のシリアスなドラマであって、結構ヘビーよ」
斎観「確かに重そうなテーマっすね。有名なんですか?」
此紀「どうなのかしら。題材が題材だから、宣伝や流通を禁止してる国があると思うわ。観た人間の絶対数は少ないんじゃないかしら」
豪礼「……日本でも流通がほぼ止まっている。新品を入手するのは困難だ。北米版は買えるが」
此紀「一部の出演者が同じだから、『司祭』から『フル・モンティ』の順番で観ると、【聖職者が脱いでる!】っていう楽しみを味わえるわよ」
斎観「全然わからん身からは、此紀様も充分映画にお詳しいと感じますが」
典雅「此紀はわりと映画を観るよ。ただ豪礼の言うように、社会派が好きだね」
西帝「あー高尚様か」
此紀「暴言やめろつってんでしょ。別にそういうつもりはないわよ。趣味にケチつけないでほしいわ」

西帝「親父は園子温どうなの?」
豪礼「……完全に作品による」
斎観「なんだっけ? 『新宿スワン』の監督?」
豪礼「間違ってもそれは代表作ではない
典雅「私は何本も観ていないけど、好きだよ。『愛のむきだし』や……あとは『冷たい熱帯魚』が有名なんじゃないか。あれは良かったね、でんでんの怪演が。身近にいるタイプのサイコパスをよく表現している」
豪礼「……どの作品でも、出演俳優の力を引き出す監督であることは認める」
此紀「結局あんたは、園子温だとどれが好きなのよ」
豪礼「『奇妙なサーカス』
西帝「あれ子役の親、よく出演OKしたよな」
典雅「ああ、それは私も観た。いしだ壱成をボンボンの二世タレントだと思っていたから、見直したよ。いい演技だった」
豪礼「そうだ。……だから、俳優の素質を見抜く眼力は認めている」
万羽「あたしはCMでしか名前聞かないけど。三池なんちゃらと区別つかなくない?」
豪礼「お前でなければ殴っている
此紀「アンチ三池?」
豪礼「……そういうわけではない。混同するなと言っている」
西帝「でもまあ映画のCMで、『これ三池崇史か園子温かどっちかだろうな』と思ったら、実際どっちかだった、っていうことは多いよな」

斎観「いちいち監督の名前とか見ねえから、そういうのわからんなあ」
西帝「兄貴の一般人指数の高さ、結構なもんだよな」
斎観「お前らほどそういうの興味ねえから。好きな映画って言われても、『ライフ・イズ・ビューティフル』とかだし」
此紀「観ないわりには好きな映画が重くない?」
万羽「そうなの? 楽しそうなタイトルだけど」
豪礼「……『シンドラーのリスト』と同じく、ホロコーストを題材にした映画だ。……此紀が好きそうだが」
此紀「いや、ホロコーストものは苦手なのよ。『灰の記憶』とかも2回観るのはしんどいわ」
典雅「どれも観たことがないが、此紀の好き嫌いはどういう基準なんだ」
此紀「捕虜の虐待描写がある映画が地雷」
万羽「ピンポイントすぎない?」
西帝「『黒い太陽七三一』」
此紀「やめろ!!
豪礼「……動物を実際に殺す映画という意味で、俺も好きではない」
斎観「え? 映画撮影で本当に動物殺すのってOKなの?」
西帝「そういう映画は結構あるね。まあ毎回物議は醸されるよ。ウサギとかだと『このあとスタッフがおいしくいただいたからOKだろ!』って言い張ったりする」
万羽「やー、観たくない」
典雅「少なくとも肉食を行っている人間が、食肉動物の屠殺に文句を言うのはお門違いだと思うが」
西帝「デリケートな問題なんじゃないでしょうか。ニワトリをシメるシーンを映画で観たいかと言われると、俺も観たくありませんし」
此紀「動物については、問題提起としてあえてそういう描写を入れる監督もいるし、一概には言えないと思うわ」
万羽「えー、あんたがそういうこと言うの意外」
此紀「医学部出身だから。ウサギを殺した数なら、映画監督よりも多いわよ」
斎観「ホラー映画の内臓って、牛とか豚のやつ使ってるってマジなんですか?」
此紀「じゃなきゃ何だと思うのよ」
斎観「内臓って臭いじゃないですか。美人女優とかが生内臓にまみれて平気なの、なんかスゲーなと思って」
豪礼「……作り物も多かろう。……だがホラー映画に出る女優は、肝が据わっていなければ務まるまい」
西帝「ボロボロになるしね。『悪魔のいけにえ』のマリリン・バーンズの血、ほぼ自前らしいぜ」
斎観「あとホラー映画に出てくる女優って、みんな足メッチャ速いよな。短距離走のタイムでオーディションやってんのかな?」
西帝「映画あんまり観ないわりに変なとこ見てるな。でも言われてみれば確かに、ホラーは全力疾走シーン多いよな」

典雅「ホラー映画といえば、『ファイナル・デスティネーション』は、【ファンタジックな要素がない】=【死神が物理的に存在するのかそうでないのかわからない】というコンセプトがあると思うんだが、床から水が引くシーンだけは、そこに抵触していないか?」
西帝「おっ、急に小うるせえ映画見みたいなこと言い出しましたね」
此紀「カラリ床とか、水はけの良い床材はあるわよ。そういうもんだと思っておけばいいでしょ。……あんたもああいうの観るのね」
典雅「少し前、テレビであのシリーズを連続で放映していたから、2作まで観た。死のピタゴラスイッチに食傷を起こしたから、それ以降は観てないが」
万羽「あー、テレビで観て、また観たいけどタイトルが思い出せないのある。えっと、幽霊船の話で」
此紀「マリー・セレスト系?」
万羽「わかんないけど、沈没船の中を探検する話」
西帝「情報量が少ないなあ。もうちょっとないですか」
万羽「ワイヤーでスパーン」
豪礼「『ゴーストシップ』だ
西帝「あれテレビ放映されたんですか? ワイヤーのシーンありで?」
斎観「うわ、画像検索しなきゃよかった
豪礼「……2度観るような映画だったか?」
万羽「そのワイヤーのとこが観たいの」
西帝「急に趣味が悪い

豪礼「……海の映画ならば、『ポセイドン・アドベンチャー』と『ディープ・ブルー』が良い」
此紀「確かに両方いいけど、同じ温度で見ると火傷するわよ」
西帝「『ディープ・ブルー』は面白かった。『ポセイドン・アドベンチャー』は、タイトルからしてリメイクの方だと思っちゃったから、『ポセイドン』しか観てない」
豪礼「お前の生に価値はない
斎観「そういうこと言うから【映画マニアは鬱陶しい】とか言われるんじゃねえの」
典雅「『ポセイドン・アドベンチャー』は観た気がするな。主人公が、いい男の牧師だったと思う」
此紀「合ってるけど目線」
典雅「私は牧師と同行しつつ、常に対立している男のほうが好きだが」
此紀「ロゴね。あんたはそうだと思うわ」
万羽「軍医も良くない?」
豪礼「……観ているのか」
万羽「ちょっと流行ったでしょ。典雅と同じ頃に観たと思うわ。あのハシゴのところの話と、軍医との話を合わせると、主人公がけっこう勝手に動いてる、っていうのがわかるのよね」
此紀「ものすごくきちんと観てる
典雅「万羽に先輩牧師の言葉がわかるとは思えないが」
万羽「【君は強者の味方だ】?」
此紀「記憶力がすごい
豪礼「……どちらかというと、その台詞は後半部に価値があると思うが」
斎観「あんまり重い映画って観たくないんですが、面白いんですか?」
豪礼「……お前の生に価値は
此紀「ウエイト。勧め方が間違ってるわ。『ライフ・イズ・ビューティフル』は好きなんでしょ? 合ってると思うわよ。パニック映画として捉えても面白いし」
豪礼「…………パニック映画と呼ばれたくない」
西帝「あんた監督か?

此紀「全然関係ないけど、私は近作なら『アナと雪の女王』が気に入ったわ」
万羽「あたしも! オラフがかわいい!」
西帝「オラフかわいいですか?」
万羽「超かわいいでしょ!」
典雅「声がピエール瀧だからな」
此紀「細かいところはネタバレになるから言わないけど、白雪姫メソッドに対する、強烈なアンチテーゼ的アプローチよね。大変良いわ」
斎観「親父もそうですが、メソッドとかアンチ何とかとか小難しい言葉使うから、映画に詳しい方ってのは遠巻きにされるんじゃないんですか?」
此紀「難しく言おうと思ってるわけじゃないのよ。極限まで簡単に言えば【☆4です】でいいんだけど、それ言われたって【☆4なんだ】としか思わないでしょ。どこが良かったのかを伝えようとすると、どうしても手法とか演出とか、そのへんに言及したくなるのよね」
万羽「あたしは☆5だと思うけど~」
典雅「松たか子を十四光り女優だと思ってナメていた層も、彼女を見直したんじゃないか」
西帝「典雅様二世系をナメすぎじゃないですか?」
典雅「いや、私は彼女の歌は前から好きだったよ。神田沙也加はほとんど知らなかったからナメていたことを認めるけど、こちらも見直した。反省しきりだ」

斎観「親父、黒澤明とかヒッチコックとかキューブリックの話はしねえんだ」
豪礼「4時間かかるが
此紀「その時間で2本観たほうがいいと思うわ」
西帝「弥風様は映画をあんまりご覧にならないけど、『鳥』は好きだって言ってたな」
此紀「好きそう」
豪礼「『裏窓』派だ。……ヒッチコックにはにわかが多くて困る
西帝「出たー言ったら最後のウザいやつー
典雅「『鳥』でにわか呼ばわりも厳しいな」
万羽「あんまり古いのじゃなくてー、最近の面白かったやつとか聞きたい」
此紀「じゃあ、もうそれで締めましょうか」
斎観「俺あんまり映画館とか行かないんで、新作映画って詳しくないんですよ。【最近観た映画】って括りでいいですか?」
豪礼「2000年以降のものならば良かろう。『サプライズ』
此紀「『マーターズ』
西帝「『キル・ビル』
典雅「『8人の女たち』
万羽「『この世界の片隅に』
斎観「『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

典雅「ちなみに映画ではなくてドラマなら、『ゲーム・オブ・スローンズ』と『ダウントン・アビー』と『シャーロック』が良い」
此紀「そのへんはわざわざ勧めなくてもいい有名どころじゃない? 『イルジメ』」
典雅「ああ、良かったね」
此紀「うん、今冷静に考えてみたけど、2000年に入ってから観たドラマの中で一番良かったの、本当に『イルジメ』だわ」
西帝「韓国の石川五右衛門みたいなやつでしたっけ? 韓流もご覧になるんですか」
此紀「いえ、ほとんど観ないけど、典雅の部屋でたまたま観て、ビックリするほど良かったから全部観たわ。『ゲーム・オブ・スローンズ』か『イルジメ』かと言っていいと思う」
豪礼「……連続ドラマはそれほど観ない。……話が逸れている」
万羽「ドラマって毎週観なきゃいけないのがめんどくさくない?」
斎観「飛び飛びでも話はわかるようになってると思いますが。映画は2時間で済むからラクですよね」
豪礼「そんな理由で観るな
此紀「ハイ、大人げない喧嘩になる前におしまい! またね!」





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