ゆるおに はみ出し215
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はみ出し215
「対談~また映画を語る~」

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――昼下がりの広間――
豪礼、此紀、刹那、典雅、西帝


・豪礼・
一族イチ映画にうるさいオッサン。嫌われるタイプの映画見。
しかしその分、「性格は最悪だが、選び出す映画は良い」という評判も。
レンタル店は利用せず、ディスクを買う主義だが、近頃では「Hulu等の有料配信サービスならいいか」という自分ルールを加えた。
そのHuluで発掘した映画は『サイレント・ヒル』。加入しなければ一生観なかったであろう。

・此紀・
「暇な時間があると落ち着かない」という理由で、わりと映画を観る。
エンターテイメント作品よりも、プロパガンダの色合いの強い、社会派・風刺系の映画を好む。
残酷描写に耐性があるが、なぜか「捕虜(制圧された民間人なども含む)が虐殺される描写」のみ苦手。
最近油断して痛い目を見た映画は『28週後…』。

・刹那・
評判の安定している映画を観て「面白かった」とコメントするタイプで、要するにあまりこだわりなどはない。
おじいちゃんであるため、老人に感情移入しがち。
最近泣いちゃった映画は『鑑定士と顔のない依頼人』。

・典雅・
ほとんどの映画はテレビ放映で観る。
どちらかというと、音楽や出演俳優を重視するタイプ。
インド映画などを比較的好むが、有名作以外は観た端からタイトルを忘れる。
身に覚えがあるので気を付けようと思った映画は『黒い十人の女』。

・西帝・
フィクションを愛する父の血を継いだか、アニメも好きだが映画も好き。
ガルパンおじさん。
映画を観た後は、必ずレビューや考察をインターネットで検索する。
「このレビュアーは何者だ」と思った考察は『●REC』のこれ
続編で明かされたストーリーよりも、このレビュアーの考察を正史として採用した方がいいと思っている。


此紀「再開催が早くない?
西帝「親父、どれだけ映画の話したいんだよ」
豪礼「……『ポセイドン・アドベンチャー』は観たのか」
西帝「観たよ。すごく良かったよ。ただ【観ないと殴るぞ】っていうのは勧め方として最悪だよ」
此紀「あの映画は宣水も好きそうよね。いつまでも古くならない、不朽の名作だわ」
豪礼「……あいつはキューブリックを馬鹿にしたので絶交した
刹那「絶交って、小学生の語彙だろ」
典雅「アンソニー・ホプキンスが出ている映画を観たいんだが」
豪礼「善のホプキンスか? 悪のホプキンスか? 狂気のホプキンスか?」
典雅「興味深いから、最後ので」
豪礼「『タイタス』だ」
此紀「何よ、その泉の女神みたいな勧め方は。あとそのチョイスはどうなの。狂気のホプキンスなら『羊たちの沈黙』じゃないの?」
豪礼「レクター博士は狂人ではない。冷静な犯罪者だ」
西帝「やかましっ
刹那「『羊たちの沈黙』みたいな話で、映像がえらく綺麗な映画があったよな。なんかこう、水槽に女が閉じ込められる」
豪礼「『ザ・セル』だ」
西帝「映画辞典かよ」
此紀「ターセム・シンなら、私は『落下の王国』が好きね。典雅も気に入ってたでしょ」
典雅「まったく思い出せない」
此紀「クレジット見る前に『ザ・セル』と同じ監督だろうなと思ったわ」
豪礼「映像美は認めるが、女が撮るような映画しか撮らん監督だな」
此紀「こら!!!!
刹那「さすがにそういうのはやめろよ

刹那「そういえば最近、『裏切りのサーカス』を観たんだが」
西帝「ド硬派ですね」
刹那「よくわからなかったので途中で寝た
豪礼「途中で寝るからわからなくなるのだろうが
此紀「外国人の顔の区別がつかない日本人が観ると、ややっこしい映画ではあるわね」
典雅「マフィアの抗争ものでもよくあるな。誰が誰で、どこの組に所属しているのかわからなくなる」
西帝「外国人も日本のVシネ観て同じこと思ってるんでしょうね」
刹那「『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』も、結局何が何だかわからなかったので寝た
此紀「あんた映画合ってないんじゃないの?」
典雅「それは私も観たが、映画本編がどうこうというより、広報が仕掛けた【フィクションなのかノンフィクションなのかわからない】というテーマの興行だろう。日本はそのタイミングにハマらなかっただけで」
此紀「日本人は悪魔とか魔女の類にピンと来ないのも、ハマらなかった一因のような気がするわね。『エクソシスト』とかもそうだけど」
豪礼「『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は悪くはなかった。終わり方に余韻がある。寝るな
西帝「POVって観てると酔いやすいから、寝たくなる気持ちもわかるけどな」
刹那「POVとは」
西帝「登場人物の持ってるカメラ越し、っていう設定で観る映画ですかね。臨場感が出るので、ホラーに多いです。モキュメンタリーとか」
刹那「モキュメンタリーとは」
西帝「ドキュメンタリーっぽく作ったフィクションです」
典雅「ああ、いくつか思い当たるな。ジャンルとして確立しているのか」
此紀「『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』ほど本格的に騙しに行く映画は少ないけどね。有名なのは『食人族』で、再燃焼させたのが『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』かしら?」
西帝「ちなみに前回俺が言った【殺した動物は食ったからいいだろ】つったのは『食人族』の監督です」

刹那「わざわざ人を食う映画を観たいとは思わんなあ」
西帝「弥風様は人を食い物にした映画がお好きなようですね。『ソドムの市』とか」
典雅「趣味が悪いな」
豪礼「オーディション部分に妙なブラックユーモアを感じる。此紀が好きそうだが」
此紀「なんでよ。普通に食欲なくなったわよ」
刹那「俺も観て嫌な気分になったが、風刺映画ではあろう」
此紀「風刺って言えば何でも許されると思わないでほしいわ。典雅も観たの? 絶対にあんたの趣味じゃないと思うけど」
典雅「映画は観ていないが、マルキ・ド・サドが原作だろう。内容は想像がつく」
此紀「弥風は理不尽な目に遭う人間を見るのが好きなんでしょ。『ファニーゲーム』とか気に入るんじゃないの」
西帝「たぶん『ファニーゲーム』はご覧になっていないと思いますが、『ミスト』は手を叩いて喜んでいました
豪礼「趣味が悪い
典雅「ん? 『ミスト』はいい映画だったんじゃないのか? よくできていたという印象があるが」
此紀「映画としては良いのよ。でも手を叩いて喜ぶやつは趣味が悪いわ」
西帝「ラストで【だっはっは】つって指さして笑ってました
此紀「あの映画にそのリアクション示すの、世界で弥風ひとりでしょ」
刹那「俺は観ていない。結局、どうなんだ。観た方がいいのか?」
西帝「ネタバレされる前に観た方がいいタイプの作品です。ただ観る時の体調には気を付けてください」

豪礼「……前回も言ったが、『ディープ・ブルー』は良い」
此紀「あれは手を叩いて喜んでもいいわ」
刹那「知らんなあ」
典雅「どういう映画なんだ?」
西帝「B級サメ映画殺し映画です。これはどんなコンディションで観ても面白いです」
刹那「?」
此紀「普通のパニック映画よ
豪礼「そうだな
西帝「だっはっは
刹那「映画好きの、こういう内輪ノリ腹立つよな」
典雅「私たちを何らかの罠にかけようとしていることはわかる」
此紀「ああ、別にすごいどんでん返しがあるとかいうわけじゃないから、そんなに身構えなくてもいいのよ」
豪礼「返すどんでんがないというところまで行くだろう」
西帝「だっはっは
刹那「腹立つ

刹那「豪礼はなぜイーストウッドを馬鹿にするんだ。良いじゃないか」
豪礼「イーストウッドを馬鹿にしてはいない。だが、好きな映画を問われてイーストウッド映画を挙げる者は、好きな居酒屋のつまみを聞かれて【枝豆】と答えると思っている」
西帝「だっはっは
刹那「馬鹿にしてるだろ
典雅「微妙にわかるような、わからないような例えだな」
此紀「豪礼もイーストウッド観てるわよ。単に、豪礼には優等生的な映画がハマらないんでしょ」
西帝「けして悪口を言われる監督じゃないと思いますけどね。【キャッチーな導入】【良い話】【切ない話】【悲しい話】【やりきれない話】にバランスよく振ってるから、『ディープ・ブルー』みたいな【ビックリ箱】に全振り的な映画よりも印象に残らないのかも知れません」
刹那「豪礼に【繊細な心理】を受け入れる感性がないだけじゃないのか」
豪礼「純文学の空気を出してくる映画はあまり好かんな
西帝「ああー言った
此紀「純文学かしら? 確かに、そういう雰囲気の作品が多い気もするけど」
典雅「『パーフェクト・ワールド』と『ミスティック・リバー』と『ミリオンダラー・ベイビー』と……私はそのあたりしか覚えていないな」
西帝「その3つの映画、観た後の感情がほぼ一緒じゃなかったですか?」
典雅「……言われてみると
刹那「そうかも知れんが、それでも全部良かっただろ!」
此紀「私は好きよ。好みの問題でしょ」

此紀「西帝が好きな『カッコーの巣の上で』も、分類するなら純文学じゃないの?」
西帝「あー、ジャンルで考えたことなかったなあ。文学というか、ヒューマンドラマだと思うんですが」
刹那「イーストウッドだってそうだろ!
典雅「文学とヒューマンドラマはほぼ同義なんじゃないのか。そう熱くなるなよ。いい年なんだから」
豪礼「『カッコーの巣の上で』は、話が☆3(※豪礼基準では高得点)、ジャック・ニコルソンの顔の力でさらに☆1、合計で☆4とする」
西帝「何権限の判定だよ」
典雅「西帝はアニメじゃなくて、ジャック・ニコルソンが出ている映画を挙げるのか」
西帝「あ、結局『ビューティフル・ドリーマー』が最の高っていう話しますか?」
此紀「押井映画としてはそりゃ良いんだけど、本編を知らないと観にくいのが難点なのよね」
典雅「『AKIRA』なんかを挙げるのかと思っていた」
西帝「当然好きですけど、【オタク=アニメ=AKIRA】と思っていらっしゃるんなら、それは古いし違いますよ。『AKIRA』はオッサンならオタクでなくても大体好きですし、逆に若いオタクは観てなかったりします」
刹那「タイトルしか知らんなあ」
西帝「刹那様はおじいちゃんだから……」

刹那「スピルバーグの」
豪礼「ハッ
刹那「言いかけなのに鼻で笑うな
豪礼「好きな居酒屋のつまみを聞かれて軟骨揚げと答えるようなものだな」
西帝「翻訳すると、貶してるわけじゃなくて、【スピルバーグはみんな好きだから、わざわざ挙げんな】と言いたいんでしょう」
刹那「そうだとしたら生きるのが下手すぎだろ」
典雅「『スター・ウォーズ』シリーズの監督だったか」
豪礼・西帝・此紀・刹那「それはジョージ・ルーカス
刹那「スピルバーグは『ジュラシック・パーク』とかだ」
豪礼「『ジョーズ』でサメ映画を切り拓いたのもな」
此紀「……実は私はスピルバーグがちょっと苦手」
西帝「え? 意外です。SFがお好きなイメージがあったので、スピルバーグはだいたい行けると思っていました。都合の良いハッピーエンドが嫌いとか、そういうアレですか?」
此紀「別にそんな意地の悪い見方してないわよ。ノンフィクション風味を混ぜてくることがあるでしょ。あのへんが苦手なだけ」
西帝「『宇宙戦争』とかですか? むしろお好きかと思っていました」
此紀「映画を観てる最中に、歴史の暗部を思い出したくないっていうか」
典雅「ああ、なんとなく理解できた。君が好きなタイプの映画は【フィクショナブルな社会派】か」
刹那「狭いな」
西帝「【社会派】と【フィクショナブル】って真っ向から対立してませんか?」
此紀「ノンフィクション要素が苦手、とだけ覚えて帰ってほしいわ」
豪礼「感覚としてはわかる。……こいつは宣水を除けば、戦時中に唯一、山に居なかった。何かあるのだろう」

此紀「『オープン・ウォーター』とかは好きよ」
西帝「ノンフィクションと言えばノンフィクションですが、フィクションと言えばフィクションだから、ですか。難しいなー、境目」
豪礼「ノンフィクション部分は【夫婦が海洋に置き去りにされた】という一点のみだろう。実際の夫婦が生還しなかった以上、その他の部分はすべてフィクションだ。この映画にノンフィクションと銘打つのは詐欺だな」
典雅「それはどういう映画なんだ?」
此紀「だから、夫婦が海洋に置き去りにされる映画よ。ダイビングツアーのグループから外れて、2人足りないことにスタッフが気付かずに帰っちゃったっていう」
刹那「それで?」
此紀「それだけだけど」
西帝「遭難ものですが、登場人物が夫婦2人だけですから、『八甲田山』みたいなドラマティックな作りではなく、海の恐怖を淡々と描いてる作品ですね。ときどきサメが出てきたりしますが」
豪礼「そのせいで【サメ映画】と判定されることもあるが、それは違う
西帝「一番面白いのは『オープン・ウォーター2』の予告編だと思う」
刹那「今検索したら出てきたので観たが、バカ映画なのか?」
典雅「面白そうだ」
此紀「NO。2は普通のパニック映画だから、予告詐欺の部類よ。バカ映画を期待すると肩透かしを食うわ」
豪礼「……本編と違う主旨の予告を作り、無理に本編を見せたところで仕方あるまいに」
西帝「予告マニアの中では有名な方かなあ」
刹那「なんだそのマニアは」

豪礼「此紀が前回挙げていた『マーターズ』を観たが」
此紀「あ、どうだった?」
豪礼「アンナに【警察を呼べ】と野次を飛ばす者は、アンナの心境と意志を何も汲み取っていない
此紀「今夜私を抱いてもいいわ
西帝「え、いや、観ましたけど、俺も【警察を呼べば……?】と思ってしまったんですが」
此紀「アンナのリュシーに対する感情、あんた全然わかんないの?
西帝「ヒェッ」
刹那「置いてけぼりを食らっている」
典雅「此紀の激推しだったから、私も観たよ。警察どうこうというのは忘れたが、後半部分が観ていて辛かったね。か弱い少女が、無言の大男に殴り飛ばされるというのは、どんな拷問よりも痛みを感じる。前半部はスリリングで良かった」
刹那「どういう話なんだ? トーチャー映画なのか?」
此紀「一言で説明するのが難しいから、観れ
刹那「お前の語彙力でそれなら、ネタバレ禁止タイプの映画ということか。……まあお前と豪礼が認めるのなら、良いのだろうな」
此紀「前半部と後半部で語られがちな映画だけど、私は【エンドロール】を含めて、三部から成る作品だと思ってるわ。エンドロールまで観れ
西帝「百合映画っぽいですよね」
刹那「観るー

刹那「ちなみに『SAW』シリーズとかは、やっぱり醒めた目で見ているのか」
豪礼「2以降は別物と考えれば、あれはあれで良かろう」
此紀「初作はソリッド感が活きてるけど、2以降はお茶の間トーチャー映画よね」
刹那「嫌なお茶の間だな」
西帝「けっこう【SAWは2が一番好き】って声も聞きますよ。俺は5と6も好きですね。あとはあんまり印象に残ってない」
典雅「私はどれも観てないな。面白いのか?」
此紀「初作はあんたが観ても面白いと思うけど、それ以降は……」
西帝「ジグソウの行動理念がようわからんようになってくるというか、なんか別にどうでもよくなってきますよね。細かいことはどうでもいいから、グロい映画が観たいんだよ! っていう気分の時に過不足ないシリーズですかね」
刹那「そんな気分の時はねえよ
西帝「毎回手を変え品を変え、何かしらのサプライズを頑張ってる感はあるので、嫌いではないです」
豪礼「トーチャー映画ならば『ホステル』シリーズが金字塔だろうがな」
典雅「さっきから出てくる、そのトーチャーというのはどういう意味なんだ?」
此紀「単純に【拷問】【加虐】の直訳よ。幽霊やモンスターは出て来ないけど、ホラーにカテゴリされてる映画は、ここに属してることも多いわね」
典雅「要するに拷問映画か? まあ需要はあるんだろうが、よく見るな、君たちも」
此紀「そこまでは観てないわよ。有名なシリーズだから知ってるだけ」
豪礼「邦画ならば『グロテスク』がなかなか出色だ」
西帝「そのタイトルよく聞くけど、Amazonでタイトルだけ同じで全然違う洋画のパッケージ画像が出てきたから、何届くかわからなくて買わなかった。情報は白石晃士版で間違いなかったんだけど」
此紀「レンタル版とセル版だとエンディングが違うのよね。弥風はレンタル版には冷たい反応でしょうけど、セル版なら喜ぶかも知れないわ」
刹那「相当詳しいじゃないか」

豪礼「刹那を呼んでも何を得ることがなかったな」
刹那「キー!
此紀「あんたたちは観てる本数と、興味の方向性が違うんでしょ。私は『ミスティック・リバー』好きだけどね」
刹那「慰めてくれなくていい!」
西帝「リバー繋がりと言うと何ですが、『クリムゾン・リバー』よくわからなかったの、俺がアホなだけですか?」
典雅「ジャン・レノが出ていた映画か。観た気がするが忘れたな」
此紀「中盤までは良かったんだけど、途中から感情が【無】になったわ。映像は綺麗だけど」
西帝「『メメント』も結局、よくわからなかったなあ」
此紀「それについては、初見ではわからないのが普通でしょ」
豪礼「DVDには特典として、時系列順バージョンがついている。それを観れば氷解する」
刹那「俺でも楽しめそうなやつを教えてほしいんだが」
此紀「ロメロの『ゾンビ』は今観ても面白いわよ」
典雅「『ニュー・シネマ・パラダイス』は刹那が好きそうだ」
西帝「『es[エス]』、男の友情に心温まりますよ」
豪礼「黒澤明の『羅生門』は押さえておくべきだろう」
刹那「誰かひとりだけ俺を罠にかけようとしている気配がするが、サンクス」





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