ゆるおに 鬼たちの「パラノイア」その1
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鬼たちの「パラノイア」その1
TRPG「パラノイア」を鬼たちが遊ぶ
~第1ゲーム『ビギナー市民 蘭香のための やさしいパラノイア』その1~



UV刹那―1「やあ、市民よ。幸福は義務だ。お前たちは幸福か?」

R此紀―1「私は幸福よ。完璧な市民なのだから当然よ」
R万羽―1「そうね。あたしも完璧な市民だから、今日も明日も幸福だわ!」
R東雲―1「幸せすぎてイライラしてくるほどだぜ!」
R此紀―1「あらイライラなんて。これはSSMの兆候が…」
R東雲―1「いや勘違いだったな。幸福でウキウキしてくるなあ」
R蘭香―1「……そう答えなければならないルールですのね? では幸福です」

UV刹那―1「レッドの市民どもよ。今日は初心者である市民蘭香のための卓だが、集まってくれて感謝する」

R東雲―1「とんでもありませんウルトラヴァイオレット様。限りなくゴミに近い我々レッドが、ゴミである仲間を補佐して、まだしも使えるゴミにするのは、完璧な市民として当然の義務です」
R万羽―1「その通りね」
R此紀―1「使えるゴミになるか、燃えるゴミになるかは、市民蘭香の素質次第ですが」
R蘭香―1「いきなり不愉快なことを言われておりますけれど、そういうゲームですのね?」

☆☆☆

R蘭香―1「まず、この名前の表記についてうかがいたいのですけれど」

UV刹那―1「ん。まあ、ハウスルール(=独自解釈のルール)も絡むので、それは開示してやるか。頭のアルファベットは、各自が所属しているクリアランス(階級)を指す。冠位十二階を思い浮かべるといい。序列はこうだ」


UV ウルトラヴァイオレット=白:メッチャえらい。神。(GM)ゲームマスター。俺だ。
V ヴァイオレット=雲の上のメッチャえらい人。一族で例えると長老や弥風。
I インディゴ=庶民には手出しできないえらい人。神無。
B ブルー=かなりえらい人。豪礼や万羽や此紀。
G グリーン=えらい人。典雅や克己。
Y イエロー=えらめの人。沙羅か。
O オレンジ=ちょっとえらい人。東雲あたり。
R レッド=プレイヤーはこの階級だ。蘭香は現実でもこのあたりだな。
IR インフラレッド=黒:ゴミクズ扱い。和泉。


UV刹那―1「お前が豪礼に生意気な口を利くことができないのと同じで、上位クリアランスの権力は絶対だ。なお、生まれつきの階級は全市民がインフラレッドだ」

R蘭香―1「なるほど。私たちは全員下から2番目ですか。全員がインフラレッド出身ということは、ゲーム内での昇級もありえるのですね?

UV刹那―1「まあそうだが、その周ではまずありえない。周回を繰り返してコツコツ功績を挙げて、やっと昇級していくという感じだ」

R蘭香―1「数字の方はどういう意味が?全員が1となっておりますけれど」

UV刹那―1「いわゆる『残機』が5体用意されている。お前たちはクローン体で、1が死んだら2が来る。そして6が死んだらゲームオーバーだ」

R蘭香―1「あら、そんなに残機が? わりと優しいゲームですのね」

UV刹那―1「…………」

R此紀―1「…………」
R万羽―1「ふっ……」
R東雲―1「……wwww」

R蘭香―1「な、なんですの。そもそも、クローン体? 近未来SFなのですか?」

UV刹那―1「まあそれもハウスルールを含むので開示してやろう。有情なるGMに感謝しろよ。まず、まあ時は近未来だ。お前たちが住むのは地下都市『アルファ・コンプレックス』。地上は核戦争により壊滅したが、地下都市はクリーンで安全だ」

R蘭香―1「あ、ディストピアものの匂い」

UV刹那―1「さすが我が孫にして優秀なる市民。察しの良いことだ。だが次からはユートピアと呼ぶように。この都市を総括する『コンピュータ様』は、安全で快適で幸福な世界をお前たちに提供してくださっているのだ」

R蘭香―1「あら?UVとか言うおじいさまが最上位なのでしょう? コンピュータ様とは?」
R此紀―1「本当にわりと賢いわねあんた。コンピュータ様はUV様よりもさらに上の、都市の支配者。UV様はそれにもっとも近い存在、というところね」
R蘭香―1「要するに、機械に支配されたディストピアという世界観ですか?」

UV刹那―1「ユートピアと呼べ優秀なる孫よ。まだ開幕していないのと、初心者優遇とで、『ZAP』は勘弁しておいてやるが」

R蘭香―1「ザップ?」
R此紀―1「あんたの言う通り、この世界はコンピュータ様に支配された厳酷なディ、ユートピアよ。ゆえに、少しでもコンピュータ様に反逆的な者を発見したら、レーザー銃による略式処刑が許可されているわ」

UV刹那―1「なおハウスルールで、全市民がこのレーザー銃を初期装備しており、全市民にZAP権限が解放されている。よってNPC(モブ)も撃ってくるぞ」

R此紀―1「その擬音というか、行使するときの合言葉が『ZAP』ね。だいたい『ZAPZAPZAP』と3回繰り返すわ」

UV刹那―1「市民此紀よ、完璧な市民にしては少し説明が足りないようだな?」

R此紀―1「……」

UV刹那―1「俺が言おう。地上を核戦争で滅ぼしたのは共産主義者どもだ」

R蘭香―1「あら? 機械的ディストピアといえば共産主義だと思っておりましたけれど……ああ、きつい階級制度があるのでしたわね」

UV刹那―1「この世界で言う『共産主義者』は、現実の共産主義とは乖離している。『とにかく世界に危害を与える悪いやつ』の代名詞だ。このゲームにおいて『反逆者』という言葉は、『共産主義者』と読み替えて構わない」

R蘭香―1「……それは……」
R東雲―1「今は開幕前ですねUV様? なら言うが、『コンピュータ様』は狂っている。ぶっちゃけ地上が核戦争で滅びたかどうかなんて本当のところはわからねえし、そうだとしても、普通に考えて共産主義者の仕業じゃねえだろ」

R蘭香―1「ああ、暴走した機械による、独裁恐怖政治ディストピアですか…。市民はそのことに全員自覚的なのですか? コンピュータが狂っていると知った上で、恐怖政治に従っている?」
R万羽―1「そーね、だいたいは」

UV刹那―1「お前たちプレイヤーは全員が『トラブルシューター』だ。コンピュータ様から与えられるミッションをこなし、トラブルを解決していくことになる。これがゲームの核だ」

R蘭香―1「そのあたりはわりと普通ですわね。でもどうせ、狂った支配者からの命令なのですから、おかしなミッションが下されるのでしょう」
R東雲―1「そのへんはGMによるな。普通に『テロリストの活動を止めろ』みたいなミッションもあるし」
R蘭香―1「狂った世界においてのテロリストは『正義の革命家』だったりするのでは?」
R万羽―1「ちょっとUV様。ほんとに結構賢いわよこの子。初心者優遇は無くてもいいんじゃないの?」

UV刹那―1「いや、その程度なら読めるだろう。蘭香は『結社』のことを知らん」

R蘭香―1「結社? 敵勢力ですか?」

UV刹那―1「お前たち全員が、コンピュータ様には秘密裏に所属している組織だ。今回の卓において、結社は全部で10。さらに、プレイヤーは好きな結社を選んでいい」

結社「コープ・メタリカ」
有機的な人体に見切りをつけ、自らをサイボーグ化している者の集まりだ。
人体改造はコンピュータ様に「反逆」と見なされるため、所属発覚即処刑だぞ。

結社「シエラ・クラブ」
地下人工都市であるアルファ・コンプレックス内には一切の自然物がなく、動植物は存在しない。
外の世界のそれらに執心し、またアルファ・コンプレックスにも持ち込もうという者たちだ。
「こんなにも完璧なアルファ・コンプレックスに亀裂を入れようとしている不届き者」なので、もちろん所属発覚即処刑だ。

結社「ロマンテクス」
過去の文明に想いを馳せ、その回帰を願う、感傷的な結社だ。
SF的な現在を嘆き、カウチに寝そべってピザを食いながらテレビを見てケツをかいたりしたいと思っている。
「こんなにも完璧なアルファ・コンプレックスに不満を持つ老害」なので、もちろん所属発覚即処刑だ。

UV刹那―1「追加のルール説明を挟むぞ。どの結社に所属していても、お前たちは全員『MT(ミュータント)能力』という超能力を有し、大体はこれを活かしてミッションの遂行にあたるが、MT能力の所持は反逆にあたる。発覚即処刑だ」

R此紀―1「厳密には『MT登録』っていう正規の免罪符もあるんだけど、この卓では無しね。全員、発覚即処刑。初心者にはわかりやすいでしょ」

R蘭香―1「ええと、要するに私たちは、隠しているとはいえ、MT能力があるからこそ、せめてレッドには昇格していて……多少は優秀な人材だという評価があるからこそ、トラブルシューターに任命されるということですか」
R東雲―1「そう思うよなあ普通
R万羽―1「アルファ・コンプレックスの全市民が生まれつきMT能力を持ってるのよ。インフラレッドのモブどもも全員MT能力者よ」

R蘭香―1「……!? では、そもそも市民全員が処刑対象なのでは!?」

R此紀―1「コンピュータ様は狂っているわ。『MT能力は一部の反逆者だけが有している』と信じていらっしゃるの」
R東雲―1「そして俺たち市民もその思想を支持してる。俺たちもMT能力者を見つけたら即ZAPで殺す。反逆者をZAPしないこともまた、コンピュータ様への反逆にあたるからな」
R蘭香―1「あ、つまり、同性愛者をバッシングして、自分が同性愛者であることを隠すようなシステムですか…」
R此紀―1「さすがに典雅の従者は飲み込みが早いわ」

R蘭香―1「ですが、それはつまり『MT能力を使ったら問答無用で殺される』ということでは…?」
R万羽―1「バレなきゃいいのよ。コンピュータ様の監視カメラなんかが無いところなら、あたしたちだって見て見ぬふりとかするし、視界の外で使われたら気付かないしね」
R東雲―1「いかにコンピュータ様や市民の目をかいくぐってハッテンするかっていうゲームなわけだ」

UV刹那―1「…結社の話に戻すぞ」


結社「サイオン」
MT能力を積極的に支持・賞賛・研究する機関だ。
「コンピュータ様に反逆するMT能力などを信奉しやがるクソテロ軍団」なので、言うまでもなく所属発覚即処刑。

結社「FCCCP」(First Church of Christ Computer Programmer)
コンピュータ支持側の結社であり、ここについては所属は違法ではない。
むしろ、所属が発覚すれば、上位クリアランスからの評価が上がるだろう。
コンピュータ様も大いに優しくしてくださる。


R蘭香―1「待ってください!?

UV刹那―1「来たな。『それなら全員FCCCPに所属するべきだろう』と考えたのだろう?」

R此紀―1「リスクにはリターンが。安定には弱点が。コンピュータ様はサイオンをとても嫌うけれど、そのかわりサイオンの結社員は、MT能力を2つ持てるのよ」
R東雲―1「ガチムチの身体と精悍な顔を併せ持つから、ハッテンにすっげえ有利になるわけだ。その行為が露呈さえしなければな」
R万羽―1「そのたとえ、ずっと続けるの?」

R蘭香―1「なるほど……。となると、サイオン以外の結社にも、もちろん所属特典があるのですわね?」

UV刹那―1「その通りだ。たとえば『コープ・メタリカ』結社員はサイボーグだから身体機能が高い。『シエラ・クラブ』は外世界の知識に長けるため、サバイバル的な技能を得られる」

R万羽―1「よっぽど特殊なミッションでない限り、『サバイバル』は捨て技能だと思うけどねー……」
R東雲―1「でもそういうミッションの時は一強だし、あとシエラ・クラブは友好結社も多いっすよね」
R蘭香―1「友好結社? というと、すべての結社が対立関係にある、というわけではないのですわね」
UV刹那―1「そうだな。もちろんサイオンとFCCCPなどは対立しているが、主義思想の近い結社は、協力関係を結ぶこともある。シエラ・クラブとロマンテクスあたりは、比較的方向性が近いので、友好的だ」


結社「フリー・エンタープライズ」(エンプラ)
金のためならなんでもする、思想なき拝金主義結社。
ゆえに、金さえ受け取れるのならば、どの結社にも協力しうるし、どの結社とも敵対しうる。(一社のみを除く)
そんな日和見のクソ反逆者は、もちろん所属発覚即処刑である。
所属特典は「あつかましさ+ポイント3」


R蘭香―1「とてもわかりやすい結社ですが、『一社のみを除く』とは…?」
R此紀―1「この結社は要するに資本主義の豚でしょ。結社中でただひとつ、その価値観を憎むところがあるわ」
R蘭香―1「FCCCPですか?」
R東雲―1「キャンディより甘いぜお嬢ちゃん。アルファ・コンプレックスにも貨幣は流通しているし、別にFCCCPは資本を憎んでるわけじゃねえ」
R万羽―1「市民東雲ー、『きゃんでぃ』って何? あたしたちのクリアランスには開示されてない情報じゃない? 甘いの? おいしいの?」
R東雲―1「アッ」

UV刹那―1「……開幕前なので許してやろう。蘭香、アルファ・コンプレックスには動植物はなく、食品も人工物だ。特にレッドやインフラレッドの市民などは、なんかよくわからん固形のキューブみたいなもんを食ってるし、しかも安全性のよくわからん食品添加物が山盛りなので、運が悪ければ食事をしただけで死ぬ

R蘭香―1「……運が良かった結果、ここまで残機を消費せずに生きてこられたクローンが私たち、という設定ですか」

UV刹那―1「そうだ。NPCにも残機を消費しているやつらがいるが、まあそういう理由だな」

R此紀―1「UV様、話が逸れてるわよ。なんで『キャンディ』がアウトなのか教えてあげなさいよ」

UV刹那―1「ああ。線引きはハウスルールによるが、俺の卓に『キャンディ』という品物は無い。旧世界の遺産である『キャンディ』についての情報を正規に手に入れることができるのは、クリアランスがブルー以上の市民だ。それ以下の市民が『キャンディ』を知っているなら、違法な情報網を有しているということだ。ゆえに反逆者。ゆえにZAP対象だ」

R蘭香―1「え、それは、ものすごく厳しいですわよね? うっかり口にした名詞ひとつで処刑されてしまうのですか?」
R此紀―1「ぶっちゃけ『いかに揚げ足をとるか/いかに揚げ足をとられないようにするか』に腐心するゲームよ」
R蘭香―1「ええと? すみません、ちょっと混乱してきました。私たちは『トラブルシューター』で、全員がコンピュータ様からのミッションを受ける。これは同一のミッションなのですよね? ならば、協力し合ってミッションを達成するのが効率的なのでは…」
R東雲―1「共産主義者くらい愚かな発想だなお嬢ちゃん」
R万羽―1「あ、学習してきた」

UV刹那―1「お前たちは全員が『トラブルシューター』であり、もちろんコンピュータ様からの同一ミッションを遂行するのが任務だ。ただし前述のように、お前たちは全員、『結社』にも所属している。そして結社からは個別のミッションを受ける

R万羽―1「ロマンテクス所属なら、『表向きのミッションを遂行しつつ、旧世界の遺物を持ち帰れ』とかね」

R蘭香―1「なるほど。大目標を共有しつつ、小目標は個別に有していると。だから協力プレイに手間を割けないプレイヤーも出てくる、と?」

R此紀―1「……」

UV刹那―1「……」

R蘭香―1「……? なんですの、その含み笑いは……」

R東雲―1「万羽様はこういうところが抜け目なくて油断できねえんだよな。らんこちゃん、万羽様の挙げた例はフェアじゃねえ。嘘じゃねえが、大事なことを隠蔽してる」
R万羽―1「しらんぷり」


UV刹那―1「いったん、結社の紹介に戻るぞ」


結社「ユマニスト」
いわゆる正義の味方。「狂ったコンピュータに支配された人間たちに、本来の生き方を取り戻させよう」という、ごくまっとうな思想を掲げ、その活動内容も人道的。
「コンピュータ様に真っ向立ち向かう反逆者」であるため、もちろん所属発覚即処刑。
友好結社は回帰思想の「ロマンテクス」や「シエラ・クラブ」
所属特典はスキル「コンピュータ・プログラム(※世界はコンピュータによって支配されているため、そのシステムに侵入・操作できるこのスキルは大変強力)」

結社「デス・レパード」(デスレパ)
破壊屋。
革命思想もクソもなく、ただただ「破壊」のみを目的とする快楽ギャング団。
「世界」であるコンピュータも破壊するし、「世界を革命したい」という正義の使者をも等しく破壊する。
もちろん所属発覚即処刑。
所属特典は「大量破壊兵器の支給」

結社「反ミュータント」(アンチ)
MT能力を弾圧しまくる結社。「市民全員MT能力所持」というこの世界で、もっとも矛盾を孕むが、もっとも効率的にコンピュータ様に媚びている。
FCCCP同様、この結社への所属は違法ではない。
MT能力を信奉するサイオンは、もちろん天敵中の天敵。
結社特典「コンピュータ様からの寛大処置・上位クリアランスからの評価↑」


UV刹那―1「なお、アンチに所属する者は、まず『MT能力者を発見次第殺害せよ』という結社任務を受けているので、コンピュータ様の監視が届いているかどうかに関わらず、ミッション遂行中にメッチャ目を光らせて揚げ足を取ってくる

R蘭香―1「ええっ…メチャクチャ邪魔じゃありませんの…」
R此紀―1「そういうゲームなのよ。あと結社によっては『トラブルシューターとしてのミッションを失敗させろ』とかいう指令を出してくることがあるわ」
R蘭香―1「大目標の阻害!? 仲間だと思っていたら敵だった!?」
R東雲―1「そういうゲームなんだよ

R蘭香―1「でも……デスレパなどは、情報を見る限り、他のどの結社にとっても邪魔でしょう? ミッション阻害などを行ってくるなら、大義名分も立ちますし、他のプレイヤーがすぐにZAPすればいい話なのでは…」

R此紀―1「だから『結社』の所属は秘密裏なのよ。ミッション阻害だって、証拠を残さないようにやってくるわよ。所属が合法であるFCCCPやアンチでも、大体は所属を隠すわ。他の結社から敵視されるからね」

R蘭香―1「……疑心暗鬼ゲームじゃありませんの!」

R万羽―1「そういうゲームなのよ

UV刹那―1「最後の結社な」


結社「共産主義者」(コミー)
結社員であっても、本当に共産主義思想を理解し、実施しているのは、ごく一部。
実情は「共産主義という旗を利用し、コンピュータに一矢報いようとする一般人」が大半である。
コンピュータ最大の敵であるため、もちろん所属発覚即即即即ZAPZAPZAP。
建前上ではあっても「公平」「平等」を旨とするため、資本主義の豚であるフリー・エンタープライズとは天敵。
結社特典「スキル:共産主義的政治宣伝(プロパガンダ)」


R蘭香―1「あら……? 共産主義者が敵というのは、狂ったコンピュータの妄想なのでは?」
R此紀―1「その妄想に乗っかった結社よ。彼らが核で地上を滅ぼしたわけじゃないし、本当に共産主義者というわけでもないわ」
R蘭香―1「ユマニストなどは、誰が見てもわりと『正義の味方』ですわよね。ええと、共産主義者は……? この説明文を見る限り、解釈が難しいのですけれど」
R万羽―1「そのへんプレイヤーによるわよね。本当に弱者にも公平な世界を、と思ってる結社員もいるし、プロパガンダを打ちたいだけのパワープレイヤーもいるし」
R蘭香―1「あ、このスキル『プロパガンダ』とは一体どういうことですの? 名前から察するに……これを行うと、結社の勢力が上がるとか?」

R万羽―1「勢力が上がるなんてもんじゃないわ。相手プレイヤーを強制的に共産主義者にできるわ」

R蘭香―1「えっ!?

R東雲―1「『プロパガンダ』によって共産主義者に洗脳されたプレイヤーは、『共産主義的思想』に反する行動を行えなくなる。そして洗脳された者も『プロパガンダ』を打てるようになる
R蘭香―1「え? ちょっと待ってください? 私の解釈が間違っていなければ、そんなに『プロパガンダ』が強いのなら、もはや開幕即プロパガンダを打てばそれで終了なのでは…?」

UV刹那―1「……」

R東雲―1「ぶっちゃけそれ、此紀様の持ちネタなんだよな」
R万羽―1「所属結社が開幕即バレバレになるの覚悟で、隙あらばプロパ打ってくるわ」

R蘭香―1「えっ? 相手を強制的に洗脳できるのなら、別に所属結社が『共産主義者』だとバレたところで、不都合はないのでは…?」

UV刹那―1「漫画の中ボスとかでよくいるだろう? 凡人に対しては無敵だが、精鋭には一発で倒されるみたいなやつが」

R此紀―1「そう。プロパガンダは、無敵のようで無敵じゃない、少し無敵なスキルなのよ」

UV刹那―1「まず、俺のハウスルールでは『洗脳されるのはそのクローン限り』。つまりプロパを打たれて洗脳されても、一度死んで、次のクローンが来たら、そのときは洗脳が解けている。一代限りの共産主義者というわけだ。もちろんプロパももう打てない」

R東雲―1「極端な話、プロパ打たれてコミー洗脳されても、自殺すりゃ解けるんだよな。残機と引き換えに洗脳を解く。俺はわりとこれやるぜ」
R蘭香―1「残機があるといっても、6体という限度があるのですわよね? 6回プロパを打たれたらどうしようもないのでは…?」
R東雲―1「『距離を取る』とか『耳を塞ぐ』とかでプロパ回避が可能だ」
R此紀―1「……そうね。ま、その通りね
R万羽―1「……そーね
R蘭香―1「……?

UV刹那―1「……あと、こちらも重要な情報だ。『プロパガンダ』は、上位クリアランスの者には無効だ」

R蘭香―1「あ! なるほど。レッド以上には通用しないので、レッド以上の者にバレたらZAPされる、ということですわね。同格か格下にのみ有効。そして、洗脳は一代限り。なおかつ所属自体が違法なので、濫用すると危険ということですか。無敵というわけでもありませんのね」

R此紀―1「レベル1のコミーならそうね

UV刹那―1「各結社内でのレベルがある。これは結社内のルールに則って上がっていく。レベル1のコミーは、同格か格下にのみプロパを通せる。が、レベル2のコミーはひとつ上のクリアランスの者まで洗脳することができる

R蘭香―1「えっまた無敵みが蘇ってきた」

UV刹那―1「レベル3のコミーは、2つ上のクリアランスにもプロパを通せる。つまりインディゴの者にプロパを打たれたら、ゲームマスターであるUVの俺でも洗脳される

R蘭香―1「無敵!!

R此紀―1「でも実際問題、レッドスタートのプレイヤーがインディゴにまで上り詰めるのは、相当の周回が必要よ。そもそもインディゴプレイヤーなんかが卓にいたら、バランスブレイカーになるし」

UV刹那―1「ここで、もっとも重要な情報だ。ZAPに使うレーザー銃は、全市民、つまり全プレイヤーにも配布されるが、これはそれぞれのクリアランスの色にペイントされている。お前らレッドに配布されるレーザー銃は『赤のレーザー銃』ということだ」

R蘭香―1「あ、わかりましたわ。プロパと同じですわね? レーザー銃は同格か、格下にのみ通用するのでしょう?」

UV刹那―1「グッドだ市民蘭香。ただしプロパと違う点は、その差はあくまで『レーザー銃側の性能による』ということだ。撃つ者のクリアランスではなく、撃つ銃のカラーによって威力は決定される」

R蘭香―1「ええと……?」

R東雲―1「俺らに支給されるのは赤のレーザー銃だが、ブルークリアランスの市民は青のレーザー銃を持ってる。これを奪えば、俺達でもブルー市民を殺せるってことだな」
R万羽―1「なんとかして紫のレーザー銃を手に入れたら、UV様以外の全員を殺し放題っていうわけよ
R此紀―1「だから、自分のクリアランスより上位の色のレーザー銃を手に入れるのはかなり困難ね。あと、殺せるからといって殺したら、それはそれで問題になるわけだし……」

R蘭香―1「……?(レベル3のコミーなら、2つ上のレーザー銃を手に入れるのは容易なのでは?)」

UV刹那―1「そのあたりはゲームを進めながらで良いだろう。さて、シートを作ってもらおうか」

R蘭香―1「あ、その前に、おじい……UV様、ひとつ気付いたのですけれど」
UV刹那―1「どうした? レッドに開示できる情報なら答えてやろう」

R蘭香―1「アルファ・コンプレックス内には動植物が存在せず、『キャンディ』がアウトになるほど、言葉……というか、知識には厳しいのですわよね」
UV刹那―1「その通りだ」

R蘭香―1「私たちレッド市民は『豚』という生き物を知っているのですか?」
UV刹那―1「ん? いや、『豚』はレッドには開示されていない情報だぞ」

R蘭香―1「さきほど、此紀様が『資本主義の豚』という言葉をおっしゃいましたが、これは開幕前だからセーフということですの?」

UV刹那―1「あ。そういえばそうだな。ううん、そのあたりはハウスルールの範疇なんだが」

R此紀―1「慣用句はセーフでしょ。私たちだって『手ぐすねを引く』の『手ぐすね』が何かなんて知らないまま使ってるでしょ」
R万羽―1「え、なんかずるい。じゃあ『キャンディくらい甘い』もセーフのような気がするわよぅ」
R東雲―1「万羽様に同感っすね。UV様、このへんハッキリしといた方がいいと思いますが」

UV刹那―1「うーん。じゃあ、今回の卓では『慣用句もアウト』ということにしよう。線引きが面倒だからな。こういうところで揉めてもテンポが悪くなる」

R此紀―1「語彙の多いインテリほど気を付けなきゃいけないってわけね。やれやれね」
R万羽―1「……なんかむかつくわその言い方ー


「その2」へ つづく




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